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社員との合意形成なき事業改革は成功しない

事業改革を計画したが、経営陣や一部の部門だけが目の色を変えて取組み、一年たったら元の状態に戻ってしまう。こうした状態を私は[企業の自律神経失調症]とよんでいるが、多くの企業がこの症候群に悩まされている。
事業の改革を実施する際に最も留意すべきことは、社員各々が経営理念と経営戦略を理解し、改革への合意を形成していることである。
このプロセスを経ることで社員各々は自らの役割を自覚し、自律的に改革に参加する状態になる。
本シリーズの骨子である【式1】の【自律性】はこうして形成される。

社員のやる気に先立つ経営理念


私どもF&Pコンサルティングファームでは、経営課題を抽出する際に「定量SWOT分析*」という手法を用いる

ある中堅規模のオフィスサプライを取り扱う会社に赴いたときのこと、この手法で課題の抽出を試みた。私の実施した数多くの事例では、10〜20程度の実施すべき課題が発見できるのが通常であるが、驚くべきことにこの会社の場合、全ての課題が実施済みもしくは実施中という結果であった。

数年前まで営業人材の定着率の低さ、売上の低迷に頭を悩ませていた社長に話をうかがうと、

「企業理念を再構築し、社員すべてに浸透させた。その上で経営戦略を策定した」

という答え。この奇跡的な改革はどのようにしてなされたのであろうか。

企業の果たすべき使命を社員・顧客・社会その他のステークホルダーに明文化するものが企業理念である。
この会社では、取り扱いの多くが環境関連の商材であったことから、「環境」をキーワードに、社員・顧客・社会へのかかわり方を判りやすく明文化した企業理念を練り上げた。
その理念を社員に徹底的に浸透させたところ、社員各々に会社と仕事に対する誇りが生まれたという。この「誇り」を顧客に説明することで、営業は信頼感を勝ち取り売上が伸び始め、同時に離職は激減した。

社会が成熟した現在、価値観の多様化に対応し社員個々のモチベーション向上要因も実に様々である。
多様化した価値観を全て満足させることは不可能である。この会社の事例でも明らかなように、個別のモチベーション施策の実施を図るに先立ち、経営理念を再構築することで、会社の向かう方向を明確に社員に示すことこそが重要なのである。

コンサルティングの現場では、付加価値が高く競争力のある商品を説明する概念として、【式1】を利用する。
【式1】 戦略=経営外部環境に対する経営内部環境
(リソース×プロセス×商品×ガバナンス×自律性)の最適化


*SWOT分析
SWOTとは、経営内部環境を「強み=Strength」「弱み=Weakness」、経営外部環境を「機会=Opportunity」「脅威=Threat」という観点で表し、その4つの頭文字を取ったもの。これを分析することで企業の戦略を導き出す。F&Pコンサルティングファームでは、その分析結果を定量化するオリジナルな手法を用いている。


SWOT分析が合意形成のプロセス


経営理念を再構築したとしても、その実現の方向と計画が不明確であれば、社員のやる気ばかりが空回りして業績の向上に繋がらないという皮肉な事態になりかねない。そこで重要なのは、経営戦略の策定とこれに対する理解を各々の社員に促すことである。

経営戦略とは、端的に言い切れば、【式1】に表すように、経営外部環境に対する経営内部環境の最適化である。そして、最適化するための課題の実施方法とスケジュールを明文化することが戦略の策定である。

それでは、こうした戦略に対する理解を社員個々に促進するには、どのような方法があるのであろうか。

有効な手法がある。
前述した「定量SWOT分析」である。これは、従来のSWOT分析をコンサルティングの現場でより実践的に活用すべくF&Pコンサルティングファームが独自に開発した手法である。

私どものコンサルティングの現場では、まず経営者に経営内部環境の“強み”と“弱み”、経営外部環境の“機会”と“脅威”をそれぞれ5項目ずつ定義してもらう。
次に、全社各部門ごとに、【図1】のマトリックスのように、かけあわせ、それぞれ25項目、合計100項目の自部門の果たすべき課題を発見してもらう。
このプロセスで社員個々は、会社の置かれた経営環境を理解し、自部門の果たすべき役割を明確に自覚することになる。

定量SWOT分析を用いた合意の形成

理解と合意の形成


ここまでに述べてきたように、事業改革の成功の鍵は、社員個々による経営理念および経営戦略の理解と合意の形成にある。事業計画とその管理も、これを前提とする(【図2】参照)。

それでは、どのような状態になったら理解と合意が浸透したといえるのだろうか。
明確な指標がある。
経営理念の理解と合意を測るには、社員の紹介による中途採用がどの程度あるかを見ればわかる。
社員自らの採用活動は、経営理念を第三者に自分の言葉でどのように伝えているか、そこに魅力を感じさせることができるかを測る最適なケースとなる。
自らの会社の理念を理解し、これに誇りを持たない社員に採用活動はできない。

経営戦略に関しては、経営環境に対応した部門課題の進捗を定量的に測ることである。即ち課題の定量目標を予め設定しておくことである。
通常業務にプラスオンされる形となる部門課題の着実な実施は、経営戦略の理解と合意なくしては果たしえないのである。

事業改革のヒエラルキー


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