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技術としてとらえる営業技術とは、3つの要素[標準化][構造化][再現性]で構成される。
[標準化]とは、「誰がやっても同じ結果、作業ができるように、あらかじめ作業の手順や必要な時間等を決めておくこと」。 [構造化]とは、「全体を細部に分解でき、細部の組み合わせで全体が再構成できること」。 [再現性]とは、「同じ手順で作業した結果のアウトプットが必ず同じものになること」。 (【図1】) 例えば家を建てる場合、所定の図面(構造化)に基づいて作業の手順(標準化)が決められている。そしてできあがった家は必ず同じ出来栄えとなる(再現性)。作る人により図面の解釈や段取りが変わり、「今回はこんな家ができました」ということはない。 ところが営業には、この技術の3要素がまったくない。商談から受注に至る作業の[標準化]すなわち営業プロセスの定義ができておらず、商談の[構造化]すなわち案件内容の構成要素のブレイクダウンもできていない。結果、成果に対する[再現性]がおぼつかない。同じように仕事をしているようで、営業マンごとに成績はまちまちになるのである。 見積り提出の早い営業マンは“デキない”「見積りを提出したら担当者に高いと言われた。相見積りでもないのに何を根拠に高いと言うのだろう?」。営業現場でよく聞く話だ。
この営業マンは、大きな勘違いをしている。相手が見積りの価格の意味、すなわち投資対効果を数値として充分理解する前に、金額を提示してしまったのだ。相手が投資対効果を充分に理解しているかを確認した後に「提示するか否か」という意思決定をおろそかにしたのである。 商談のプロセスでは、見積りを提出する以前に、相手の理解を測る行動が必ず含まれていなければならない。 商談の構造化とプロセス我々F&Pコンサルティングファームでは、[構造化思考による提案営業育成トレーニング]という営業トレーニングプログラムのなかで、商談開始から見積り提出までの要素を14の項目に構造化した表を活用している。(【図2】)
人財を活かすプロセス
組織的な営業力とは、営業マン個々の「経験」「知識」「人あたり」「センス」であろうか。
すべて必要な要素であろうが最重要要素ではない。これまで述べてきたことでおわかりのように、誰がやっても同じ結果に限りなく近づくような(再現性)プロセスの標準化と商談の構造化を組織的に定義し、実践することである。 営業マンを人財(材にあらず)というリソースとして活かすも殺すも、組織として営業プロセスをどのように構築していくかに尽きる。 本シリーズの骨子である【式1】にあるように、プロセスのあり方によりリソースの活き方が変わるのである。
【式1】
戦略=経営外部環境に対する経営内部環境
(リソース×プロセス×商品×ガバナンス×自律性)の最適化 |
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